GaN 単段アンプ その4
2021-03-01


最初のブレッドボードは、ジャンク箱に眠っている部品をかき集めて作った。その後、MouserからKEMETの電解コンデンサが届いたので、それに入れ替えた。ただし、出力コンデンサだけは注文数を間違えて一個しか届かなかったので、現在再発注をかけているところ。
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対策した回路は、2月25日に左右チャンネル分ができあがった。それ以来24時間通電状態においてエージングを重ねている。
以下はいまの状態。 禺画像]
最初に出てきた音は、耳に突き刺さるようなとげとげしさとまとまりに欠け、まったくひどかった。
その後、時間とともに熟成が進み、およそ100時間経過した今日の状態では、まだまだではあるけれど音の姿形はだいぶ整ってきた。

音の評価は、他のアンプを基準にするのが一番わかりやすい。私の場合は、初段にWE420A、終段にGaNを使ったサークロトロンとKT88pp真空管アンプとの比較となる。

音で言えば、おなじGaNを使っているせいかサークロトロンと似ている。しかし、印象が全然違う。これがたった一個の能動素子で稼働しているアンプなのかと、だれもが疑うのではないか。とにかく、音が前に出てきて立体的で、サークロトロンもかなりよいと思っていたけれど、この音を聴くと「あっさりして薄い」と言わざるを得ない。実に音が濃密で、なおかつ押し寄せてくる。

回路を見るなら「原始的」で、増幅機が発明された百年前と基本的には変わらない。それなのにこんな音が出てくる。一体今まで何をしてきたのだろうかと呆然とする。これが、GaN素子と空芯コイルが作り出す音なのだろう。

GaN素子はD級アンプの出力段で使われることはあっても、シングルエンドのA級アンプに使われるケースは寡聞にして知らない。すこし大げさかもしれないけれど、GaNをアナログ・オーディオ・アンプに応用した場合に、どのような音を出すのかを検証した初めての報告ではないか。

この音を聴いてしまったら、これからは、このスタイルのアンプしか作らない(作れない)だろうという予感がする。
オヤイデから送られてきたままの姿ではあんまりなので、最終の評価はコイルをきちんと巻き直してからにする。
[Audio]
[Single End Amp]

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