コンデンサマイクNEEWER NW-800を改造する
2020-06-29


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この記事に書かれていることは、改造後の動作を保証するものではありません。試される方は自分の責任で行っていただくようお願いします。だれも参考にする方はいないと思いますが、念のために書いておきます。

コロナ騒ぎで一つところに集まっての授業や会議ができなくなり、代わってこれらをオンラインで行うためにこの4月からあたふたと作業をしてきた。あれから数ヶ月経ち、いまではだいぶ慣れてきたが、その間いろいろ考えさせられた。

その一つがマイクである。一般にはiPad、iPhone、ノートPC もしくはWebカメラ付属のものを使うので、参加者の声の聞こえ方もいろいろである。Zoomにはノイズ抑制や自動音量調整の設定もあるので余計音が聞こえづらかったりする.

マイクだけ変えても限界があることはわかっているが、それでもなんとかしたいとオーディオ屋は考えた。ネットを覗くと、一昔前なら高価で手を出しづらかったコンデンサマイクが格安で売られている。改造記事まで出ている。これに飛びついた。NEEWER NW-800である。

届いたマイクを早速バラバラにする。それがこの写真。 禺画像] 写真には円形プラスチック(黒色)のマウントが見えるが、これは本当に「こけ脅かし」で、よく見ると小さな口径のエレクトレットコンデンサマイク・カプセルが外部からわからないよう巧妙にはめ込まれていた。さすがである。ただし、マイク基板はそれなりで手を抜いているわけではなさそう。とにかくおよそ2000円の価格でこの内容であることに驚くばかりである。

続いて肝心のマイクカプセル。例によってeBayから調達した。Neumannのような超高級マイクのカプセルは、目の玉が飛び出るほど高価であるが、その何十分の一の値段で手に入るのだからありがたいことである。 禺画像] いまから数十年前のことである。K式アンプに心酔しきっていた時代、先生のお勧めに従ってDCマイクを作ったことがあった。カプセルはAKGのCK-1である。小遣いをためて、確かMJ誌の読者交換欄をとおして買った記憶がある。そのマイクは、妻のオルガン演奏を録音するために使ったきりで、専用電源のわずらわしさもあってその後出番がなくなり、結局オークションで嫁に出してしまった。
そのような経歴があるので、今回再びマイクに手を出してみると少し感慨深いものがある。

マイクカプセルをマイク本体に固定するのには、専用のマウンタが必要となる。マイク専用のDiy部品を売っているサイトでは、カプセルと一緒にマウンタも同梱されている。しかし中華製のマイクカプセルにはそのようなものはついてこない。
ここあたりのノウハウはネットの改造記事を参考にし、一カ所だけ自分なりの工夫をした。できあがってみるとそれなりの姿となって好ましいのだが、やはり専用マウンタがあればと思ってしまう。 禺画像] 次に肝心のマイクアンプ。専用電源などは使わないで、オーディオインターフェースのファントム電源(+48V)を利用するので、少し工夫がいる。このあたりはメーカー製アンプの回路図を参考にした。 禺画像] 当初、ネットにある改造記事を参考にしてエミッタフォロワなしのバージョンを試した。ところが思いっきり発振してそのままでは使えない。出力となるドレインに100Ωを入れたら安定したが、出てきた音は期待したほどでもなく、内心がっかりした。

ところがエミッタフォロワを入れてみると、動作は安定して不安感は全くないし、音も落ち着いて好ましい。これなら作った甲斐はあった。かつて苦労して作ったあのDCマイクはなんだったのかと拍子抜けするほど良い音である。

マイクカプセルの成極電圧はeBayに出品されていたときの説明に寄れば+48Vになっている。

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