Circlotron サークロトロン 途中経過
2017-04-26


手元にある部品を使って、もっとも安定に動作する回路を探していったら、結局Amazing Circlotronに行き着いた。オリジナルの回路に関しての説明は検索するとすぐにヒットする。以下の回路図は、私なりにアレンジした現行の回路図。
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作ってみると、名前の通り実にAmazingである。理由は二つある。一つは回路がこれ以上削れないほどシンプルであること。そして二つ目は、シンプルでありながら、音が良いこと。これ以上、なにが必要なのか。そう思わせるほど魅力にあふれている。
終段はGaN素子である GS66502B。GaN素子のデジタルアンプへの応用は、すでに発表されている。アナログパワーアンプへの応用は世界初か?
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ところが、手放しでは喜べない問題が発覚。予想はしていたが、スイッチング電源のノイズが音を汚しているのが如実に聞こえてしまう。妙な付帯音が聞こえたり、ざわざわしていて妙に腰高であったり、耳が痛くなるような刺激的な音がしてきてこれには閉口した。

対策はしてみた。使っているスイッチング電源は、TGKラムダのVS50B-24。
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これの二次側整流ダイオードをCREEのSiCに入れ替え、同時にファインメット・ビーズを挿入。
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効果はあった。しかし、それでも大勢は変わらない。さてどうするか。徹底的にノイズ対策をしていくか。しかし、経験がない。難儀することが予想される。今大切なことは、GaN素子の能力がどの程度あるのかを突き止めることである。電源の問題で台無しにしたくはない。まずは初心に帰って、アナログ電源を構築することに決めた。 4つのフローティング電源を用意するのだから、それなりに物量が必要となる。少しずつ準備していこう。

さて、音の評価はどうか。
スイッチング電源の問題は抱えてはいるが、これまで使ってきたTaylor型パワーアンプを凌駕していることは確認できる。透明感がすぐれていながら、音が前に出てくる。癖というものをほとんど感じさせない。真空管パワーアンプと互角に渡り合える能力はあると感じている。

ただしTaylor型パワーアンプが劣っていることではない。おそらく終段の素子に使ったIRFP240とSCT2160KEがネックとなっている可能性がある。特にSCT2160KEはCissが1200pFもあってオーディオには向いていないのではないかと疑っている。それでも使ったのは、ただ部品箱にあったからという理由だけであって、本当はいますぐにGaNに入れ替えたいくらいである。

ただAmazing Circlotronがあまりにも簡単にできてしまったので、Taylor型パワーアンプを改良する気力が失せてしまった。誠に申し訳ないことだが、我が家のパワーアンプの座はCirclotronに交代することになる。
余談ではあるが、今回使ったスイッチング電源は4台で3000円であった。こんな安い電源でこれだけの音が出るのだから、ある意味では驚異的とも言える。こんなことがあるから世の中おもしろい。
[Audio]

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