13D2ラインアンプ ヒーター点火回路の考察その1
2016-08-14


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真空管のヒーター点火方法についてはいろいろ議論があって、大きくは交流点火と直流点火に分けられ、その直流点火はさらに定電圧点火と定電流点火の二つに分けられる。

 どれがすぐれているのかは私が決めることではないが、こだわりは定電流点火である。

 この方法の唯一の欠点はエネルギーロスが多く、そのロスが発熱となって無駄に消費されるところにある。その量はヒーターの電流値に比例し、計算式で表すとおおよそ以下のようになる。

    (入力電圧ー出力電圧)×ヒーター電流

 今回、infineonのダイオードを投入するにあたり、涙を飲んでWE412Aに降りて頂いたことは既報の通り。その代わりに13D2のヒーター点火回路に十分な電圧をかけられるようになった。

 13D2は2本使用している。この場合、ヒーターを直列接続すれば、定電流回路は一個で済むから、その分、熱の排出が抑えられる。従来、この方式としていた。ただ問題は、真空管によってヒーターとカソード間の電圧に違いが生じてしまうことで、気持ちが良くない(北海道弁で、「あずましくない」と表現する)。

 これとは別にヒーターについてもう一つの課題を考えていた。以前、 CounterpointのSA-20を改造していた時のこと。もともとパイ型のCRフィルタをとおして直流点火していた。そのRを取り払い、代わりにチョークトランスを入れると音が充実することを知った。あのことが忘れられない。

 いまSA-20は押入れの中で眠っている。そこからチョークトランスを取り出し、ラインアンプに入れてみたい。できるならチョークインプット型平滑回路を目指したいのだが、このトランスはチョークインプットを想定していないので、あまり無理も出来ない。

 いっぽう、電源トランスかた出ている端子は6.3V×2と8V。これらのもろもろの条件を検討した結果、掲載の回路となった。

 チョークの入力側には10uF(BG)を接続。やってみると、トランスはうなることなく、問題がなさそう。ただ回路図のノード番号100の電圧は実測で17.5Vとなり、定電流回路1台分でおよそ6.6Wの熱を消費する。2台あるから、発熱は相当のものとなる。これが悩ましいところで、今後の課題とする。
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