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前回の回路で発振対策のために二次側に1500pFを並列に接続していた。調べてみると、これも一種の位相補正というらしい。そこで、RC位相補正回路としたらどのような効果が得られるのか、試してみた。というよりも、カットアンドトライでどの程度で発振が止まるのかを試してみた。
その結果、C=1500pFで固定した場合、R<1KΩでなければならないことがわかった。これより大きくなると、確実に発振する。ということで、少し余裕を持たせてR=620Ωとした。最終回路図を掲載する。
音を聴いてみた。昨日に比べてエージングが進んだせいか、だいぶ高音域が前に張り出してきた。依然として腰高の印象があり、バランスがおぼつかないが、それでも昨日よりは良い。そこでじっくり聞き込んでみた。
楽器だけを聴く限り違和感はなかった。しかし、ソプラノがフォルテにさしかかると、何か聞こえてならないものが声にぴったりと張り付いたままでわずかに聞こえてくる。歪みであればこんな場合、音楽と分離して耳に突き刺さってくるのだが、まるで音楽の一部であるかのように聞こえてしまう。今まで経験したことのない歪みである。もしかして録音時のマイクが原因とも思ったりもしたが、決してそんなことはないはず。「まず自分の装置を疑え。」これが鉄則である。
単なるエージング不足でこうなっているのか。それとも、トランスが飽和しているのか。それとも発振しかかっているのか。いろいろ妄想が頭をよぎる。やっぱりこのトランスでは役不足なのか。トランスはエージングに時間がかかるという噂もあるので、今後の変化を待つしかない。
その一点を除けば、R-TransフィルターはLCRフィルターより優位と判断する。ただし、満点ではない。トランスのカラーのようなものを感じないでもない。そこが気になるか、気にならないか。これも今後の課題。
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