2005-11-17
改造から一日経過して、今日の音はどうなったのだろうか。バッハの「二つのヴァイオリンのための協奏曲BWV1043」を聞いてみた。ヴァイオリンは、アイザック・スターンとパールマン、指揮はズービン・メータ。いつも聞き慣れているCDだ。
二人のヴァイオリンの音に耳が釘付けになる。今まで出ていなかった音が聞こえる。これこそがヴァイオリンの音。これ以外に形容する言葉が思いつかない。ただ鳴っているのではない。そこで生身の人間が演奏している気配と熱気、あるいは殺気まで聞こえる。音のもつ恐ろしささえ感じる。
何か大きな壁を一つ乗り越えて今まで聞くことの出来なかったオーディオの領域に踏み出したような気がする。それほど、以前の音とは決定的に異なる。
続いてキース・ジャレットの「パリコンサート」を聞いた。今まであまり好きではないCDだった。しかし今日は違った。ピアノの音を通して「恐怖」のようなものが表現されていることに気がつき、驚いた。キースが何を意図し、何を表現したいのか、ひしひしと伝わってくる。凡人には表現し得ない世界がそこにある。
今回の改造が、これほど音質に影響を与えるとは全く予想していなかった。水に例えれば、オーディオシステムが徐々に透明になってきているとも言える。不純物が取り除かれるので、向こう側にある景色がそのまま見えるようになってくる。一方、まだ不純物が残っていることもわかる。むしろ、残っている不純物が以前にも増して気になってしょうがないくらいだ。ますます妥協を許さなくなってきている。以前のアナログ時代の音を超えたことを認めざるを得ない。
今見えている課題は、(1)左チャンネルのノイズと(2)右チャンネルオンケンOS-500MTドライバーの歪みだ。ドライバーの歪みは原因が分かっている。おそらく経年変化で、ボイスコイルが中心からずれているのが原因だ。いろいろ調整しているのだが、職人技であることを痛感している。
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